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第9話 二度目の友達登録

Penulis: るるね
last update Tanggal publikasi: 2026-02-11 22:12:36

 周囲には足早に行き交う人々。

 陽菜はこれ以上道を塞ぐのも申し訳なく思い、仕方なく唇を噛みしめてから、駅の端の目立たない隅へと歩み寄った。

 一条もすぐに後をついてくる。

 「……私と鷹宮さんの関係は、ただの雇用関係です」

 「雇用?」

 一条が眉を少し上げた。予想外だったのか、目を細めて面白そうに笑う。

 「凌の会社で働いてるってことか?」

 「……そういうわけではありません。でも、これは私と鷹宮さんの間のことで、一条くんには関係のない話だと思います」

 そう言って言葉を返した陽菜に対し、一条は怒ることもなく、むしろ愉快そうにまたひとつ笑った。

 「たしかに、関係ないね。ただ、ちょっと気になってただけ。……昔からずっと不思議に思ってたんだよ、藤野さん。どうして人って、そんなに長く誰かを想い続けることができるんだろうって。だからその答えを当の本人に教えてもらおうと思ってさ」

 その言葉は、不意に陽菜の胸をえぐった。

 まるで目の前の男の指先が、見えないまま心臓をつかみ、強く握りしめたような感覚。

 陽菜は思わず大きく息を吸い込んだ。胸の奥にこみ上げてきた何かを、ぎゅっと喉の奥で押し
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     先に我に返ったのは一条だった。 陽菜の肩を抱いたまま、人通りの邪魔にならない場所まで連れていくと、低い声で問いかける。「藤野、大丈夫か? ……かなり驚いただろ」「あ……ご、ごめんなさい、一条君……」 陽菜は数拍遅れて現実へ戻ってきたように、小さく息を呑んだ。 顔色は白い。 驚きで心臓が激しく脈打っているせいか、自分がまだ一条の腕の中にいることにも気づいていなかった。 一条はそのことに気づいていた。気づいていて、すぐには離せなかった。 ようやく陽菜の呼吸が落ち着き、耳が理由もなくうっすら赤く染まり始めた頃、一条は名残惜しさを押し隠すように、ようやく腕を離した。 まるで、自分はただ心配しただけだと言い聞かせるみたいに。「藤野、今日なんか様子おかしくないか。……体調悪い?」 そう言いながら、一条はごく自然な仕草で陽菜の額へ手を伸ばした。 陽菜は一瞬、呼吸を忘れたように動きを止める。 触れた掌は思ったよりずっと温かくて、その熱がじわりと肌へ伝わってきた。 心臓が大きく跳ねる。 一条はすぐに手を離したものの、そのまま今度は自分の額へ同じ手の甲を当て、温度を確かめるように比べ始めた。 次の瞬間、彼の眉がわずかに寄る。 軽い調子ばかりだった表情から笑みが薄れ、声音にも少しだけ緊張が混じった。「……やっぱり、ちょっと熱ある気がする」「ち、違うんです。一条君。少し考え事してて、ぼーっとしてただけで……」「……念のため、帰ったら熱測れよ」 一条は珍しく真面目な口調で言った。「家に体温計あるよな?」 陽菜が困ったように首を横へ振る。 すると一条は呆れたように笑いながら、家に置かれている救急箱の場所を説明した。 それから、ふっと口元を緩める。「今度ちゃんと家の中も把握させないとな。……藤野、そういうの全然知らなさそうだし」* 家へ戻ったあと、陽菜は一条に言われた通り、素直に救急箱から体温計を探し出した。 測ってみると、結果は平熱。 どうやら一条が心配しすぎただけらしい。 陽菜は苦笑しながら、その写真を撮って一条へ送った。 すぐに返ってきたのは、『ならよかった』という短い返信。それだけなのに、胸の奥が少し温かくなる。 ここまで真っ直ぐに気にかけられることに、陽菜はまだ慣れていなかった。 申し訳なさもある。 けれど同時に

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